スウェーデン語で「くもり空」という意味を持つ「Mulet(ミュレット)」は、その名前の通り、白と灰色のニュアンスのある色合いが印象的なシリーズです。
色合いだけ見ると、ともすれば冷たい印象を受けそうですが、Muletにはあたたかな雰囲気が宿っています。それは、あえて1点1点少しずつ異なる形に仕上げた歪みのある形、釉薬の濃淡などから、手仕事の跡やぬくもりが伝わってくるから。決して派手さはありませんが、お料理をそっと静かに引き立て、例えば異素材である木や金属、ガラスなどの器やカトラリーなどにもしっくりと馴染みます。
ミュレットシリーズは土からオリジナルで開発するこだわりをもって作られています(一般的には製土屋さんから土を購入し、そのまま使用されるつくり手さんが多いのです)。コバルトや鉄分を多く含んだ土に、日本で古くから使われてきた信楽焼のさっくりとした荒い土をブレンドした黒土に磁器の成分を20パーセントほど足し生地の強度を上げ、オリジナルの乳白の釉薬を掛け、何度も試作を重ねてようやくこの独特の色合いが完成しました。
そして、ミュレットを作るために岐阜県に新しく作ったという自社工房にて、攪拌機で練り上げ、1250度で焼き上げます。高い温度で焼き締めているので、薄くて丈夫な仕上がり。電子レンジや食器洗い機を使うこともでき、とても実用的です。
ロクロで作成した土原型を元に作られ、さらに焼成段階で歪むように厚みを設計したハンドシリーズは、1つとして同じには仕上がらないのが特徴です。朝食のパン、昼食の料理を盛り付けるのに便利なサイズです。
φ230×H20mm